1/04/2010

機能的なものについて

たとえば高級なオフィスチェアや高機能なガジェットなどになぜか愛着がわかないことがある。なぜだろうか?結論から言うと、それらのものは道具としての機能を増やすことによって逆に用途を狭めてしまっているのである。シンプルなものはユーザーが創意工夫によって想定外の用途で使うことも多い。たとえば普通の包丁の腹や背を使ってさまざまな調理法を工夫することができる。シンプルな形状のものはより基本的な機能を担っているため、応用範囲が広い。それに比べて、多機能なものはその複雑な形状のため、はじめから想定された機能や目的のためにしか使われない。言ってみれば、多機能なものは道具としてのフレキシビリティーを失い、使用者の自由を制限しているのだ。
道具はそのシンプルさと機能の多さによってジェネラルツールとスペシャルツールに分かれるだろう。多機能なものが嫌いというのは別にナンセンスなことではなくリーズナブルなことである。